表題は嫌味でもなんでもない。
ロレックスは現代における非常に優れた機械式時計だと思います。
でも最高の時計かというと…どうなのかな。
齢30を超えた頃、どうしてもロレックスが一本欲しくなった。若造からちょっと大人への変換期。社会人のまだまだ新米。これから戦っていくなかで足りない貫禄を何かで補おうとしたのでしょうか。今となっては当時の心境を自分自身も分析しきれない。けれど大方はそんなところだろうと思う。欲しかったのがサブマリーナーというのも武装甲冑の一つとして納得。防水深度がはるかに高いシードウェラーとは少し迷ったけれど厚みもありちょっと重過ぎるし、ケースに開けてある穴からひょっとして何か漏れてこないかと心配するのは嫌だった。
手に入れた時の嬉しさは今も少し覚えている。
300m防水の安心感とこれぞダイバーズウォッチというスタイル。コピー品や似たデザインのは世に多かったけれど、そんなことはどうでもよかった。本物の男の道具が今ここにある。それだけで自分が強くなった錯覚も覚えた。心理的武装は完璧だった。