気まぐれ腕時計館

腕時計好きになって31年。貯めてきた戯論を気ままに書いています。

機械式クロノグラフって

クロノグラフ(ストップウォッチ機能付時計)を性能だけで語るとクオーツに限ります。

けれど、クロノグラフという腕時計に求められるものは機能だけではないだろうと。

必要か不必要かと問われれば、スマートウォッチも含めて、もはや腕時計自体が不必要ではないかと言われている現在ではクロノグラフの機能を正確さや性能で追及するのは無意味であり、すでに趣味嗜好の追及に昇華しているだろうと僕は思います。

つまり機能も一つの要素ですが、デザイン、構造そのもの、ブランドや持ち合わせたストーリー、仕掛けの妙や芸術性。

特に機械式のクロノグラフにはそういう趣味嗜好の高い要素が詰まっているように思います。

電気を使わずゼンマイと振り子というシンプルな力学物理の原理を使い現在時刻を表示しつつ、仕掛けを使いストップウォッチを作動させ、止め、リセットする。ここに魅力を感じなければ高い値段で機械式クロノグラフを買う意味は半減するでしょう。しかし他方においてその複雑機能が盤面にも表されるのでメカメカしい姿はファッションの一つとして役に立ちます。実際に知り合いにクロノグラフを毎日使っていながら作動させたことがないという人もいました。しかしそれではクオーツのクロノグラフでも同じ。と思いますが、一般的にクオーツクロノグラフは安価なものが多いので、製作に手のかかった高価な機械式クロノグラフと比べると質感に劣るものが多いように思います。ファッションでワンポイントとしてクロノグラフを使うなら是非機械式クロノグラフをと言いたいところです。GパンにTシャツと言った夏のシンプルなファッションにも機械式クロノグラフが腕元にあれば、ちょっと雰囲気が変わるように僕は思います。