一つ目はこの時計。ザシチズン。
シチズンといえば国産ではセイコーの2番手というイメージが強い。
しかしその技術力と財力は安定して強く、セイコーよりも健全な経営の元で個人ユーザーや卸店、時計店全てにフレンドリーなメーカーなのです。知り合いの熟練時計師さん達や若手時計師さんがこぞって勧めるメーカー。腕時計を芯から知る人が選ぶ。それがシチズンです。
現在のシチズンは豊かな財力の元、幅広く商品展開し、実は国内メーカーではとてつもなく飛び抜けた存在なのですが、それを大きくアピールすることなく、あえて国産2番手のポジションイメージを保っているように思えます。理由はよくわかりませんが。
さて、このザシチズンは1995年ものです。
永久修理保証を盾にガラスが割れたザシチズンの写真を全面に衝撃的な広告写真で現れました。先行したグランドセイコーに対抗?そうだったかもしれません。しかし当時、腕時計一生モノで描かれた腕時計ブーム創世記に永久修理保証というのは画期的でした。しかもクオーツです。これはグランドセイコー でさえ明言できていません。
質素な顔、質素なロゴ、純白の文字盤、20年以上経っても変わらぬ高精度。実に素晴らしいです。和の時計とはこういうものを言うんじゃないかと僕は思います。
「お客様がこの時計をお持ちになっている限り…」
メンテナンスの返書に書かれたこの一文が嬉しい。