中学に入る頃だったから、今から40年ほど昔の話になる。
どこが最初に出したのか、ハミルトンのパルサーあたりが始まりだったか。
1970年代後半、液晶デジタル時計が国産各社から出て一気にデジタル時計ブームが起こった。アナログはもう古い。世の中はデジタル時計一色になるだろう。そんな意見もあったようだ。
当時から見たら随分先の未来である今、もちろんそうはなっていない。理由はいろいろ考えられるが、むしろ腕時計においてはデジタル時計よりもアナログ時計の方がメジャーとも言える。というよりもすっかり棲み分けができていると言った方がいいだろう。
デジタル時計が良いかアナログ時計が良いか
ひところあったそんな議論は最早無意味だろう。なぜなら時刻表示においてどちらもメリットデメリットが明確であり、そのどちらかに絞る方が明らかに損だから。より瞬間的に正確な数字を知りたい時はデジタルであり、量的に時間を読みたい時はアナログが良い。またファッションに合わせやすいのはアナログだけれど、マラソン選手がアナログ時計をつけていたりするとおかしい。バブル期の車にデジタル表示の計器が多く採用されたけれど、量的変化を感覚的に知るにはアナログメーターの方がわかりやすい。デジタル数字がチマチマ変化してると変化のスピードがわかりにくかったりする。
今やデジタルとアナログは共存共栄にあると言っていい。アナログ表示はオーディオレコードやカメラフィルムのように駆逐されなかったどころか、しっかり立ち位置を確保している。
腕時計においてはハイブリッド型も存在する。
これに関してはシチズンのデジアナが世界初だったか。そのちょっと前に同じシチズンのマルチアラームを買った(正確には買ってもらった)ので、もうちょっと待てばよかったかと思ったものだった。
のちにハイブリッド時計も買った。
けれど、ハイブリッド時計というのはある意味中途半端な時計とも言える。
一見いいように思えるが、時刻を見たい時に一瞬どちらデジタルかアナログのどちらを見るべきか迷う。デジタルで確認したいのに針が邪魔してたりするとちょっとイラッとする。
このようにデジタルかアナログかを考えることは実は楽しい。時計好きにとって、こんなことで頭を使ってる時間が実は至福の時である。
その至福の時間を測るにはデジタルの方が良いかアナログの方がよいだろうか?笑