ここ10年近く、
オメガは高級化路線を突き進んできました。
既存のデザインを活かしつつ機械や外装や仕上げに手をかけ、美しいと言える工芸品の域を作ろうとしているようです。それは同じスウォッチグループ内でのオメガというブランドの立ち位置を上方に上げることで明確にすることになりましたが、一般的に手を出しにくい価格帯に移行したものが多く、親しみやすさが少し減ったかなという印象もあります。
さて、そういう話をするとまた長くなりますので、今日は新作について少し。
チタン+タンタリウム+ゴールド
という3種類の金属を組み合わせたトリプルコンビのシーマスターが発表されました。
2500本限定(…最近限定って多いですね)、
価格は150万ちょっと。
チタンとゴールドはわかるけど、タンタリウムって何?ってことですよね。
簡単に言うと、硬くて腐食に強く、先端技術に使われるレアメタルです。生体親和性はチタンより高いというにも特記事項。材質としてはかなり優れた高級素材。
ただし高価だし、何より重い。ステンレスの倍以上の密度です。
だからこのシーマスターにもベゼルのベースやブレスレットの一部に使われて、タンタリウムの素材を活かすというよりは「使ってみました!」みたいな感じですね。
そして何故これをやるのか?
裏スケです。
ダイバーズウォッチは防水性と視認性を第一に考えないといけない事項…のはず。
裏スケで防水性が保てないとは言いません。だって風防ガラスも表にあるのですから。
でも、真のダイバーズウォッチであれば可能な限り破折や漏洩のリスクは減らしたいところ。
オメガとしては自社製の美しい機械を魅せてよりプレミアムにしたいところなのでしょう。
これを否定はしません。
腕時計のあり方を問う一品でもあると思います。