気まぐれ腕時計館

腕時計好きになって31年。貯めてきた戯論を気ままに書いています。

アガリのダイバーズウォッチ 後編 植村ダイバーズ

多くの偉業を残し、人々に勇気と感動と希望、そして何より心休まる笑顔を与えてくれた植村直己さんは40年前の今日2月13日にマッキンリーにて行方不明となり帰らぬ人となりました。

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(北米大陸最高峰マッキンリー現在名デナリ)

植村さんは冒険家と呼ばれていますが、ご自身は自分が冒険家だと意識されたことはないそうです。冒険=危険を冒す というような意識はないと仰っていました。いつも用意周到で準備万端、行けると確信して臨まれたようです。それは確かに冒険ではなく、あえて言うなら挑戦と呼ぶべきでしょうか。

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現在この時にも挑戦し続けてる人たちは数多くおられます。時に、「その挑戦に意味はあるのか?」と問われることもあるでしょう。しかし、何に挑戦をするのかよりも何かに挑戦する気持ちと行動が大切なんだろうと私は思います。そして多くの人には冒険に見えるような一見無意味に見える大いなる挑戦はそれを知る人に多大な感動と勇気を与えてくれるのではないでしょうか。同じことはできないけれど、自分にも何か挑戦できるのではないかと。たとえどんなにその挑戦が一見小さな事であっても、先へと進む大事な第一歩になるかもしれません。元より、そうやって一人一人の挑戦を重ねていくことで人類は進歩してきたのではないかなと思います。

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植村ダイバーと名付けられたセイコーセカンドダイバー。私のように植村さんの挑戦に心打たれたものにとって、彼が信頼を寄せて旅に出た道具というだけで、少しだけ、挑戦する心のお裾分けをいただくような気持ちになります。もちろん、人によってはそれは他の時計かもしれません。それぞれの人にとってそのような腕時計があるのではないかと思います。持つ人の生きる時間を刻んで示す腕時計には魂が宿る気がしてなりません。それは妄想かもしれませんが、私には

たかが腕時計、されど腕時計

なのです。

 

「あとがき」に続きます。↓↓

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