気まぐれ腕時計館

腕時計好き歴28年で貯めてきた戯論を気ままに書きます。

雑誌の中にあった時計 Sinn 20世紀

20世紀最後のmonoマガジン。

特集されたのは腕時計たち。

それぞれ使い込まれた一級品。

ここでいう一級品とは、「高額な」

という意味ではもちろんない。

腕時計は道具。

使い込まれて所有者に信頼されてはじめて

真の一級品となりうると思う。

ともあれ、そのmonoマガジンに載っていた腕時計たちはどれもが魅力的に輝いていた。

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コラムニストの腕時計談集も素晴らしいけれど、プロの写真家がそれぞれの思いで撮った腕時計の写真は今見ても圧巻。

二つの腕時計特集は何度も何度も読み返している。このmonoマガジンは20年経った今もすぐ読める手元に置いている。

実はその中の一つとようやく出会うことができた。

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歯に衣着せぬモノいいや、戦場から地の果ては南極ドーム基地までおよそ行きたいと普通は思わない場所にすすんで行って自らを不肖と称される報道カメラマン宮嶋さん。その腕にあったのはSinn。実に格好いい。

20年経ち、宮嶋さんに会う機会に恵まれた。

今は何をつけられているかと見ると、なんと20年前と全く同じSinnだった。聞くと当時monoマガジンに載せたこともはっきり覚えておられた。

monoマガジンに写るSinnに比べるとケースは傷が多いように見えた。さもあらん。

世界の危険地帯を宮嶋さんの腕で時を刻んできた腕時計にとってその傷は勲章のようなものだろう。

使い込まれた道具は新品でショーケースに並ぶピカピカの腕時計よりも美しいと思う。

それは数々の物語が時と共に刻まれていくからに違いない。腕時計はものをいう口は持っていないけれど、所有者と一体になると何かを語りかけてくるように思えるのは、腕時計好きだけだろうか?

頼んで、スピードマスターマーク2と写真を撮らせてもらった。

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プロのカメラマンを相手にピンボケの写真は失礼なので本人には見せていない。多分ここを見ることもないと思う。

僕自身の腕時計物語最終話として立ち上がってきたマーク2との時間に嬉しい時が刻まれた瞬間だった。