IWCに持つ自分のイメージを前回は書きました。
今回はそのIWCから選んだインヂュニア について。
(ちょっと長文)
インヂュニア の初発は1955年。
ベゼルに5ビスのGG(ジェラルド ジェンタ)デザインが採用されたのが1976年から。5年ほど生産されなかった時期がありましたが、2016年まで40年間、GGデザインで作られました。2017年からは意向はわかりませんが普通のラウンドデザインに戻りました。
強化耐磁時計と考えられたインヂュニア でしたが、途中からデザイン重視に普通の耐磁モデルも。インヂュニア (ドイツ語で「技術者」の意味)に対するコンセプトのブレがちょっとあるのかな?
超先祖返りした現行のラウンドモデルは個人的には残念です。どこから見てもそれとわかる特徴的なGGデザインで通して欲しかったというのが正直なところ。ですが、引き続きIWCには興味もあり、現行モデルも暖かい目で応援したいと思います。
全く個人的な話ですが、
インヂュニア を使い出したことで僕はロレックスの呪縛から逃れることができました。
ロレックスの呪縛?
って思われるかもしれませんから簡単に説明します。
長く時計好きをやっていますが、ロレックスほど完成度の高い腕時計は他にないなというのが実感。ただし実用時計、日常的に使用する時計としてですよ。腕時計の価値は多角的です。
普通の人が普通に高級な時計を欲しいと思う時に何がいい?と聞かれたら迷わずロレックスを勧めます。
僕自身、GMTを除く人気スポーツモデルを持っていました。デイトナ、エクスプローラ、サブマリーナ、ヨットマスター、それにスポーツモデルではないですがパーペチュアルデイト。
因みに伴侶の時計もロレックスです。腕時計や装飾品にあまり興味のない彼女はほぼ毎日それ一本です。もう20年以上使っていますが全く動きに問題なし。とっくに油切れおこしてるだろうからOVHしようと言うのですが「動いてるからいい」と。とにかく丈夫です。そしておそらく、そんなノーメンテのロレックスでもそれなりの高価なリセールも可能。どこから考えても日常に寄り添う時計としてロレックスは完璧です。
でもね、
それがわかっててもロレックスを使い続けるというのが自分的には残念なんですよ。
結局、腕時計好きを長年やってても選んだのは普通の人と同じ時計だねと。
これは正直言って残念です。
いや、つまらないプライドだとはわかってるんですよ。良いものはイイ!それがわかってるならいいじゃない!そう自分に言い聞かせてもやっぱり許せない時計好きのプライドがどこかにある。
これがずっとループするのです。「ロレックスの呪縛」というのはそういうことです。
インヂュニア はそこから縄を解いてくれた腕時計でした。
インヂュニア は孤高の存在IWCが提案する実用時計。その使い勝手はエクスプローラもパーペチュアルデイトも寄せ付けない。それに他人とかぶらない自己満足感。僕のはインヂュニア の中でも最廉価モデルでしたが、ラインナップの中で唯一の強化耐磁時計でした。サイズも重さもベストと言っていいし、山でも海でも仕事でも使う場所もスタイルも全く選ばない。万能ウォッチです。
(↑山はいいですが...)
(↑海水につけるのはオススメできません)
(雪はヘッチャラです!)
お陰で、自分が持っていたロレックスは親父の形見以外は全て手放せました。正直ホッとしました。自分らしい時計、時計好きをやってきたからこそ選べた時計。そう思っています。オールラウンド万能時計はこれ一本あればいい。本気でそう思えるノーマルウォッチなのです。
インヂュニア はエベレスト世界初登頂を果たしたヒラリー卿が2回目のエベレストに自ら持参した時計であることはあまり知られていないかもしれません。極地であっても信頼に足る時計の系譜は現行に至るまで形を変えつつも受け継がれていると思います。